天然エビであれば何でも美味しい
わけではありません。
産地、種類で好みはあると思いますが、
美味しさをもっとも左右するのは
冷凍方法、薬品の有無、作業スピードなどによる鮮度の差です。
同じ産地の天然エビでさえ作業工程によって
味・香り・食感が全く違うものになってしまいます。
パプアニューギニア海産のエビがなぜ美味しいのか。
その理由を端的に説明します。
[漁獲から冷凍までのスピード]
まずパプアニューギニア産の天然エビは
船の上で急速凍結する「船凍品」です。
漁獲してすぐに頭を取りながら選別し、水を入れて急速凍結します。
それに対して「陸冷品」は船で漁獲したエビを陸に戻ってから冷凍します。
凍らせるまでの時間差が大きいので鮮度に影響します。
[薬品に頼らない]
エビは鮮度が悪くなると、
殻が酸化して頭や足の方から黒くなります。
そこで一般的には黒変防止剤などの薬品を使います。
(これには養殖も天然も関係ありません)
薬品の体に対する影響も心配ですが、
私達はもっとシンプルに
「鮮度悪化が見えない(殻が黒くならない)」ことによる
作業スピードの低下を懸念します。
作業スピードが落ちれば、おのずと味も落ちます。
しかしパプアニューギニアは漁獲量が多くないこともあり、
これまで薬品を使用していないのです。
早く作業しなければ殻が黒くなり、
同じエビでも価格が落ちてしまいます。
だから早く作業しようと頑張ります。
その結果、鮮度のよい、味、食感、香りが最高級の商品となるのです。
天然で、船凍で、無薬品という三拍子
が揃っていることが最高級のエビであることの大前提です。
[温度変化の少ない配送環境]
船の上で水と一緒に凍らせた海老は、
一度も解凍されることなく日本まで届けられます。
コンテナ船やトラックで輸送しますので
温度変化の影響をうけにくい水氷ブロックが原料としては優れています。
この水で凍らせるのは天然も養殖もほぼ変わりませんが
どの産地やどの船が水が少ないとか
そんなことも弊社では頭に入れて仕入れ加工します。
[再選別がきめて]
先ほどの三拍子が揃っていても
鮮度の悪い美味しくないエビが商品になる可能性はあります。
例えば海が荒れたり大漁すぎると
作業が困難でサイズや品質にバラつきがでます。
ちぎれたもの、殻が黒変したもの、バラバラのサイズ
いろんなB級品が混ざります。
私達も何度も船にのっていますが
あんなに揺れる船上で細かな選別はとても無理です。
ここで弊社の強みが出てきます。
大阪の自社工場で一度流水解凍し
再選別してから急速凍結します。
もちろん工場でも薬品は一切使用しません。
2度凍結することになりますが
鮮度やサイズにバラつきのある1回凍結と、
鮮度重視で再選別した2回凍結であれば
後者の方が味が優れていると実感しています。
だだし一度解凍というのは、
エビ1尾づつで考えれば鮮度が落ちています。
(商品全体で考えると上がりますが)
そこでパプアニューギニア海産の商品が
鮮度のよい理由をご紹介します。
とても単純な事をやっているだけです。
でもそれが鮮度には一番重要であり、作業としては大変なのです。
■シャワー解凍
ためた水につけるのではなく、流水をかけ続けシャワー解凍します。
水はポンプで循環(一部)。
しかも全部とけるまで待つのではなく
とけたエビから先に選別していきます。
■社員の選別
工場長と社員が責任をもって選別。
サイズは計量器を使い細かく選別します。
鮮度は目視と手の触感で判断します。
揺れない工場で明るいライトで選別しますので
現地のパートナーには
大漁の時、波があれている時は
サイズはおおまかでよいのでスピード重視を伝えています。
■清潔な工場
せっかくの3拍子そろった天然エビ。
工場が汚なかったり、塩素の匂いがプンプンではもったいない。
そして海産物を扱う会社ですから海を汚すようなことはしたくありません。
手洗いから工場の全ての清掃を無添加石けんで行います。
石けんでしっかりこすり洗うことが地道で清潔です。
かつ器具をなるべく少なく、つねに洗って使いまわすことも重要です。
[パプアニューギニア産一筋30年]
最後になりますがこれが一番重要です。
パプアニューギニア現地と30年にわたって
この事業を継続しています。
私たちならではのノウハウや繋がりが
細かにたくさんあります。
東日本大震災で全てが流され
会社の経営が苦しく一時は直接取引を停止していました。
しかし昨年から直接取引が再開し
それにともなって現地スタッフの日本研修も再開しました。
パプアニューギニアでできること
日本でできること
信頼できるパートナーとともに頑張れることが
きっと美味しいエビが届けられる一番の理由と思います。